Wednesday, December 2, 2020

フィットネストラッカーのデータ、気にしすぎてない? - ギズモード・ジャパン

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脱・がんばれムード!

3月以降、ランニングをしなかった最長記録は6日間。暑い夏のあいだは、1マイル(1.6km)走るのに1〜2分遅くなるように。湿度が60%を超える蒸し暑い日に走るのはなかなかキツイこともあります。でも、わたしのApple Watchはそんなこと知ったこっちゃないと言わんばかりに、目標を掲げてばかり...。

Apple Watchだじゃありません。デバイスによってはワークアウトの目標を達成すればアニメーション付きでお祝いしてもらえて、達成しなければ「次は頑張れよ」と言わんばかりの励ましのメッセージを送信。友人の記録や個人記録を超えるとお祝いムードでバッジをくれたりもします。でも正直、こうした機能が健康維持に結びつくのか疑問に感じることってありませんか?

たとえばApple(アップル)のアクティビティトレンド。過去90日間のアクティビティと過去1年間の比較の側面を測定してくれるというものです。わかりやすいように、90日間の平均が年間平均と同等あるいはそれ以上であれば、矢印は上向き、それ以下であれば下向きになって教えてくれます。ムーブ、エクササイズ、スタンドといった指標のほか、歩くペースや走るペース、さらにはカーディオフィットネス(最大酸素摂取量)などから健康状態が決定されます。

同社は2019年に、Series 5とともに一新されたヘルスケアアプリを導入しました。この機能が最初にリリースされたときは、結構感動したのを覚えています。普段はこの矢印が上向きでしたが、下向きになった際にはどのくらいの期間内にどうすれば上向きに戻るのかわかったのも便利でした。でも前述の通り、夏になると暑くてそれどころじゃなくなったんです。

努力が反映されない?

今年の夏は平均週4ペースで5kmのランニングをしていました。それも、ものすごくゆっくりと。その結果、ランニングペースの矢印は常に下向きペースを上げるようにアドバイスを受けましたが、熱中症の危険を感じたのでそんなことはしませんでした。ゆっくりと走ることの意義もあるのを知っていたので、結局のところ、安全な方法で一貫して走ることがより重要だと思っています。だから矢印が下向きになっているのを見ると、ちょっとイライラしてる自分もいたりして…。

さて季節は変わり、ランニングをしやすい気温になってきたこともあり、走るペースの平均も約2〜3分早まるように。矢印は上向きになりましたが、ランナーとして何か改善したとしたらそれは一貫性によるものであって、きっとペースを上げることではないはず。でも、そういうことは結局アクティビティトレンド上には反映されないんですよね。

同じことは、ウォーキングにも当てはまります。私は普段、ひとりで1マイル(約1.6km)歩くのに15〜16分かかります。でもこれが、夫と一緒に散歩して適度なペース(毎秒1.3〜1.5m程度)で歩くと運動としてカウントされない、ということが起こります。健康的で、よい運動だと思っているのですが、指標のおかげで平均が下がるのみ…。VO2Maxスコアも同様。この夏ずっと定期的な有酸素運動をしていたというのに(0.1刻みで平均約34から33に)スコアが下がり始めるという事態に直面しました。Appleが提案してきたのは、散歩やランニングで自分自身に「挑戦」し、丘を登ること。すでにやっていました。なんなら毎週のインターバルも、テンポランも、他の有酸素運動も、散歩だってやっていましたよ、と。

「もっとハードに!」と促すムード

このような例は、じつはAppleだけじゃありません。アクティビティトレンド機能はここ数か月でたまたま気になっただけで、ほとんど(すべてとは言いませんが)のフィットネスアプリがアプリで目標の達成や統計の改善、より強く、速く、多くのカロリーを消費することを祝すムードがあって、ちょっとうっとうしいくらいリマインダーを送信してくる傾向があります。これは活動のベースラインを維持するのにはよいかもしれません。でも、健康やフィットネスの質を完全に反映してくれるわけではないのはどうにかならないかなぁと思わずにはいられません。

おそらく、どれだけ多くの活動をできるかを目指すのではなく、一貫性のある方法で十分なアクティビティを行なうことにフォーカスする機能があったらいいのに、と思います。リカバリーを考慮したり、柔軟性を持たせたりするのも重要です。毎日ではなく、毎週の活動に焦点を広げたり、より高いカロリー燃焼を伴う有酸素運動だけでなく筋力トレーニングのような無酸素運動も考慮してもらえたらいいのに、と。

もちろん、矢印はパッと見てわかりやすい。リングを完成させるのも、長い説明を読むより簡単です。しかしその単純さによって、健康が「よい」「悪い」の二種類にしかならないのはいろいろと省きすぎ、とも言えるのかもしれません。

脱・「もっとがんばれ」へ

とはいえ、ウェアラブル企業もそれに気づいていないわけではないようです。watchOS 7では、毎日の移動、運動、スタンドの目標が編集できるようになりました。Fitbitは今年初旬「Active Zone Minutes」機能を導入しました。これは、1週間に約150分の適度な運動あるいは75分の激しい運動を行なう必要がある、という指標に基づいているとか。

Oura RingWhoopといったウェアラブルには、さまざまな心臓の指標を考慮して身体の緊張を判断する「準備」スコアが組み込まれています。Garminのボディバッテリー機能やPolarのNightly Rechargeなど、多くのフィットネスファーストなウェアラブル企業も回復を重視した機能を採用しています。

結局のところ、毎週毎週、何かを続けるうえでアプリの励ましのメッセージが役に立つこともあるとは思います。でも「もっとハードに!」という考え方からは抜け出す必要があるはず。そうじゃなければいつか、データには惑わされ、リマインドには追われて、ウェアラブルが嫌いになってしまうかも…?

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