東京五輪・パラリンピックの渋滞対策で、走行中の自動車を“走る渋滞センサー”として首都圏の渋滞情報網を倍増させる、官民連携の実証実験が4月に始まることが13日、分かった。現状は道路側の固定センサーから情報を得ているが、自動車やカーナビゲーションのメーカーが取得しているリアルタイムのビッグデータを統合。首都圏道路のカバー率は3割から最大7割と飛躍的に向上するため、回避ルートなどの対応が取りやすくなり、大会期間中の渋滞抑制に大きな一手となりそうだ。(今村義丈)
現在、公益財団法人「日本道路交通情報センター」(JARTIC)と一般財団法人「道路交通情報通信システムセンター」(VICSセンター)が提供している渋滞情報は、警察や自治体、高速道路会社などが道路側に設置した無線機器「ビーコン」で検知する情報がベース。ただ、設置はもともと渋滞が起きやすい路線や幹線道路に偏り、定点情報しか得られない。このため、今回の実験対象の1都6県(東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬)では高速道・一般道計約6万キロのうち3割(約1・8万キロ)しか対応できていないという。
実験では、主要メーカーがカーナビなど車載通信機で独自に取得している車両の時刻・位置・速度のリアルタイムデータ「プローブ情報」を、匿名化したビッグデータとして提供してもらう。これでカバー範囲は最大7割(約4・2万キロ)と2・3倍に増加。全国に4千万台以上あるVICS(道路交通情報通信システム)対応カーナビ搭載車のドライバーは、従来は情報が表示されなかった小規模な道路の渋滞も分かり、回避しやすくなる。
2020-01-13 09:01:00Z
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