Thursday, January 25, 2024

妊娠中の過剰な体重増加は将来の慢性疾患高リスクと関連 ~妊婦の母親を対象に母子健康手帳を用いた研究で解明 妊娠中 ... - 国立成育医療研究センター

国立成育医療研究センター(所在地:東京都世田谷区大蔵、理事長:五十嵐隆)の周産期・母性診療センター産科の小川浩平診療部長、上原有貴医師らの研究グループは、妊婦の母親318人を対象とした調査を実施しました。母子健康手帳情報を用いたコホート研究により、妊娠中に過剰な体重増加(妊娠前のBMIが18.5kg/m2未満の場合15kg以上、18.5kg/m2以上25kg/m2未満の場合13kg以上)があった女性は、適切な体重増加[1]だった女性と比べて将来慢性疾患を発症する調整オッズ比[2]が糖尿病で約1.4、高血圧で約1.5、肥満で約1.8となることを明らかにしました(図1)。本研究成果は、2024年1月5日、国際的な学術誌「Scientific Reports」誌に掲載されました。
※本研究は妊娠中の過度な体重制限を推奨するものではありません。妊娠中は適切な体重増加を心がけてください。

[1]「適切な体重増加」の基準は妊娠前のBMIが18.5 kg/m2未満の場合12kg以上15kg未満。BMIが18.5 kg/m2以上25 kg/m2未満の場合10kg以上13kg未満。それに満たない場合は「不十分な体重増加」と定義。
[2]オッズ比とは、ある事象の起こりやすさを2つの群で比較して示す統計的な尺度のこと。
妊娠中の体重増加と将来の慢性疾患との関連の図

【図1 妊娠中の体重増加とその後の慢性疾患との関連】


プレスリリースのポイント

  • 妊娠中に過剰な体重増加があった女性は、将来の糖尿病、高血圧、肥満のリスクが高くなっていることがわかりました。
  • また、肥満と高血圧には強い関連があることが知られています。妊娠中に過剰な体重増加があった女性で将来の高血圧リスクが高くなっていることについては、こうした女性は肥満になる割合が高く、肥満になることで高血圧になりやすいことに依存する可能性が示唆されました。
  • 一方で、肥満と糖尿病にも強い関連があることが知られています。しかし、肥満にならない場合でも妊娠中に過剰な体重増加があった女性は将来の糖尿病リスクが高くなっていることが示唆されました。
  • 妊娠中の体重増加が多かった場合には、将来高血圧や糖尿病になるリスクが高い可能性があり、定期的な健康診断を受けるなど健康管理に気を配る必要があると考えられました。
  • 妊娠中の適切な体重増加は妊娠合併症のリスク回避になるだけでなく、将来の慢性疾患の予防になる可能性があります。

研究概要

2017年4月から2020年11月の期間に当センターへ通院していた妊婦の母親のうち、妊娠前のBMIが25 kg/m2未満であった318人を研究対象としました。妊婦自身が産まれたときの母子健康手帳を持参してもらい、母親の体重増加データを収集しました。そして母親には現在の慢性疾患(糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満)を質問紙により回答してもらいました(図2)。その結果、妊娠中の過剰な体重増加があった女性(妊娠前のBMIが18.5 kg/m2未満の場合15kg以上、18.5 kg/m2以上25 kg/m2未満の場合13kg以上)は将来の糖尿病、高血圧、肥満のリスクが高くなっていることがわかりました。また、高血圧のリスクが上昇することは、肥満になりやすいことが主な要因であったと考えられましたが、糖尿病については肥満にならなかった女性でもリスクが上昇することもあわせて明らかになりました。これらの結果から、体重が過剰に増えてしまった女性では、将来の高血圧や糖尿病について、定期的な健康診断の受診などの健康チェックが重要であると考えられます。また、妊娠中に適切な体重増加を心がけて過剰な体重増加を避けることによって、妊娠糖尿病や妊娠高血圧などの妊娠合併症だけでなく、将来の糖尿病や高血圧などの慢性疾患のリスクを低減できる可能性が示唆されました。

データの取得方法の図【図2 データの取得方法】

発表論文情報

タイトル:Association between gestational weight gain and chronic disease risks in later life
執筆者:上原有貴1、小川浩平1,2*、森崎菜穂2、荒田尚子1、和田誠司1
所属:
1)国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター
2)国立成育医療研究センター 社会医学研究部
掲載誌:Scientific Reports
DOI10.1038/s41598-023-50844-4.
(別紙)妊娠中の体重増加曲線

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難病患者 働きやすい職場を 理解されにくい不調、孤立感… 「配慮の対象」の認識 不十分な企業も:東京新聞 TOKYO ... - 東京新聞

 働く障害者への差別を禁じ、働きにくさを解消するための合理的配慮を企業に義務づける「障害者雇用促進法」。配慮の対象には、難病などを患い、病気でない人と同様に働くことが困難な人も含まれる。だが十分に知られておらず、「病気を明らかにすると、差別や不当な扱いをされるかも」と心配する患者は多い。企業の理解や相談しやすい職場づくりが求められている。 (佐橋大)

 炎症性腸疾患(IBD)の患者らでつくるIBDネットワーク理事(就労支援担当)の仲島雄大さん(56)は20代で、IBDの一種、潰瘍性大腸炎になった。トイレに行く回数が極端に多いことに悩み、当時働いていた自動車整備の仕事から半年ほど離れた時期もあった。

 患者の中には手術や入院治療が必要な人もいるが、今は医療の進歩で症状が治まっている期間が延び、通院や体調不良時への配慮があれば、普通に働ける人が増えた。「難病だと働けない、といった偏見を持たないで。病気があっても働くことを一緒に考え、誰もが働きやすい職場づくりのきっかけにしてもらえれば」と仲島さんは訴える。

 一口に難病と言っても、働く上で何の配慮もいらない人から、就労が難しい人までさまざまだ。外見で分かる病気もあるが、疲れやすさや痛みなど見た目では分からない症状も多い。

 障害者雇用促進法は、難病などの慢性疾患の患者で、働く上で配慮が必要な人を「その他の心身の機能に障害がある者」として、支援の対象に加えている。具体的には、病気というだけで昇進の対象から外すといった差別的な扱いを禁止。過剰な負担にならない範囲で、柔軟な働き方を認めるといった「合理的配慮」の提供を求めている。

 ただ、企業の認識は不十分という。独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」(JEED)障害者職業総合センター副統括研究員の春名由一郎さんは「『障害者手帳を持つ患者だけが支援の対象になる』と誤認している企業が多い」と指摘する。

 JEEDは、配慮が必要と認識されにくい「障害者手帳のない難病の人」の実態を明らかにしようと、一昨年9月から約1年かけて調査。手帳を申請していない難病患者約3400人に、生活の支障を聞いたところ、定期的な通院以上に、体調の崩れやすさ、痛み、免疫機能の低下を挙げる人が多かった。

 例えば、「体調の崩れやすさ」では、生活に支障が出ると答えた人が半数以上いる=グラフ(上)=が、障害とは認識されにくい。春名さんによると、差別を恐れ、病気や症状について言い出せない患者も多いという。

 病による疲れやすさや痛みを「怠けている」「自己管理の欠如」と誤解されたり、逆に「病気だから」と心配しすぎて患者に仕事を任せないといった過剰な反応につながったりすることも。調査では、手帳を申請していない患者の半数以上が「疎外感、孤立感がある」と答えた=グラフ(下)。

 春名さんは「病気自体が知られていないことも多く、障害者でも健常者でもない立場が孤立感につながっている。調査結果を参考に、働きにくさを解消してもらえたら」と願う。仲島さんも「企業には、安心して病気のことを相談できる体制をつくってほしい。患者側もどんな配慮なら働けるのか、分かりやすく伝えることが必要」と訴えた。

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Wednesday, January 24, 2024

スポーツジムやヨガ教室などで契約更新・解約トラブル相次ぐ 解約手続きの方法など十分な確認を 国民生活センターが ... - TBS NEWS DIG Powered by JNN

スポーツジムやヨガ教室などで、契約の更新や解約をめぐるトラブルの相談が多く寄せられていることから、国民生活センターが注意を呼びかけています。国民生活センターによりますと、2023年度に全国の消費生活セン…

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【注意】吹雪で視界の悪い場所も…岡山県北部では24日夜をピークに大雪の見込み 十分な警戒を【岡山】 - OHK 岡山放送

中国地方に今シーズン最も強い寒気が流れこみ、岡山県北部では1月24日夕方から25日にかけて大雪となる見込みです。

真庭市蒜山地域の24日午前7時ごろの様子です。横殴りの吹雪で視界が悪く、道路の温度計は氷点下7度を示しています。

積雪はまだ4センチの観測ですが、24日午前6時からの24時間の降雪量はいずれも多いところで岡山県北部の山地で50センチ、平地で25センチ、南部でも3センチと予想されています。

(小学生は…)
「寒くて嫌」

(まちの人は…)
「道の温度計も-7度でこれまで暖かかったので、きょうはすごく寒く感じる」

大雪は24日夜にピークを迎える見込みで、雪雲が予想以上に発達した場合、警報級の大雪となる可能性もあり、気象台が警戒を呼び掛けています。

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スポーツジムやヨガ教室などで契約更新・解約トラブル相次ぐ 解約手続きの方法など十分な確認を 国民生活センターが注意呼びかける - goo.ne.jp

スポーツジムやヨガ教室などで契約更新・解約トラブル相次ぐ 解約手続きの方法など十分な確認を 国民生活センターが注意呼びかける

スポーツジムやヨガ教室などで契約更新・解約トラブル相次ぐ 解約手続きの方法など十分な確認を 国民生活センターが注意呼びかける

(TBS NEWS DIG)

スポーツジムやヨガ教室などで、契約の更新や解約をめぐるトラブルの相談が多く寄せられていることから、国民生活センターが注意を呼びかけています。

国民生活センターによりますと、2023年度に全国の消費生活センターに寄せられたスポーツジムやヨガ教室などに関する相談はおよそ3800件に上ったということです。

スポーツジムなどの「お試しプラン」の期間が終わった後に契約が自動更新されてしまったという相談が多く、国民生活センターはプランの期間や自動更新の有無などをよく確認するよう呼びかけています。

また、申し込み後でも、利用開始日前なら解約できると勘違いしてトラブルとなるケースも多く、解約方法や申し出期間を確認してほしいとしています。

“無人ジム”やオンラインレッスンに関しては、解約などの手続きに関する問い合わせをしたくても連絡が取れないという相談が多く寄せられているため、メールや電話など複数の連絡手段で問い合わせをしたうえで、全国の消費生活センターや消費者ホットライン(188番)に電話してほしいなどと注意を呼びかけています。

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【注意】吹雪で視界の悪い場所も…岡山県北部では24日夜をピークに大雪の見込み 十分な警戒を【岡山】 - OHK 岡山放送

中国地方に今シーズン最も強い寒気が流れこみ、岡山県北部では1月24日夕方から25日にかけて大雪となる見込みです。

真庭市蒜山地域の24日午前7時ごろの様子です。横殴りの吹雪で視界が悪く、道路の温度計は氷点下7度を示しています。

積雪はまだ4センチの観測ですが、24日午前6時からの24時間の降雪量はいずれも多いところで岡山県北部の山地で50センチ、平地で25センチ、南部でも3センチと予想されています。

(小学生は…)
「寒くて嫌」

(まちの人は…)
「道の温度計も-7度でこれまで暖かかったので、きょうはすごく寒く感じる」

大雪は24日夜にピークを迎える見込みで、雪雲が予想以上に発達した場合、警報級の大雪となる可能性もあり、気象台が警戒を呼び掛けています。

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Monday, January 22, 2024

TBS「歴史的背景の十分な検討ができておりませんでした」 沖縄出身俳優に「方言禁止」企画 バラエティ番組が「差別 ... - 神戸新聞社

 TBS系バラエティ番組「櫻井・有吉THE夜会」(木曜午後10時)が18日に放送した企画「方言禁止記者会見」がネット上で物議を醸しています。沖縄県出身の俳優は沖縄弁の質問に対し、つられることなく全て標準語で答えられるかチャレンジするという内容。

 番組を見た人の中には、明治から昭和にかけて沖縄の方言を禁じた「方言札」を連想した人も多く、SNS上では「沖縄出身者に方言禁止をやらせるとは」「方言札を知らないの?」「制作担当者は方言札をググって!」「方言禁止をエンタメ化してる」「この企画にOK出たの?」「誰も止めなかったの?」など疑問を呈する声が広がっています。

 方言札とは、沖縄の学校で標準語を普及させるため、沖縄の方言を使用した生徒は見せしめのために首から札を掛けられるという罰。明治40年ごろから第二次世界大戦後まで続いたといわれています。

 番組制作側は歴史的背景を知った上で企画を進行したのでしょうか。

 TBSテレビ(東京都港区)広報・IR部は、まいどなニュースの取材に対し、次のようにコメントしました。

 「当該企画は、『どんな役も見事に演じ切る俳優さんでも、自身の出身地の方言には釣られてしまうのではないか?』を検証するもので、過去に別の俳優さんで同様の企画を放送した際は好評だったこともあり、沖縄の歴史的背景についての十分な検討ができておりませんでした。今回の企画が差別的であるとのご指摘は、私どもとして真摯に受け止めており、今後の番組制作に活かして参ります」

     ◇

 同番組は昨年12月にも長崎県出身の俳優が方言を我慢する企画を放送しており、今回は前回に続くシリーズ。ゲーム性を全面に出した演出となっており、方言3回でアウト、ゴーヤチャンプルーなど方言の入った料理名もNG、イントネーションはセーフなどのルールを設けていました。

 沖縄の言葉をめぐる歴史的背景に配慮していないという意見がある一方で、「放送見たけど何とも思わなかった」「こんな遊びも許されないんですか」「そんなこと言ってたら何もできない」「番組を見てもない人が炎上させたいだけでは」「騒ぐ方が面倒」といった声もありました。

     ◇

 沖縄県では子どもたちに向けて、公式ホームページの中で沖縄の歴史を分かりやすく解説しており、「方言札」については次のように説明しています。

 「明治時代、日本本土の標じゅん語の使用をすすめたせい府は、沖縄の学校で沖縄の言葉(しまくとぅば)を使うことをきん止しました。沖縄の言葉を使った子どもは、次に使う人があらわれるまで、板でつくった『方言札』を首からぶら下げるという、罰を受けました。標じゅん語を定着させようとするこの運動は、昭和まで続きました」(ホームページから引用)

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