
産業医・夏目誠の「ストレスとの付き合い方」
過剰なストレスはうつ病など心の病への引き金になり、頭痛や胃痛など体に症状が表れることがあります。働く人にとって、ストレスをうまくコントロールすることは、満足のいく仕事をするためにも、健康のためにもとても大切です。ところが、余裕をなくしてしまうと、過剰なストレスにさらされていることに自分では気づけなくなります。そしてストレスが高いと気づいても、「実際は何をして良いかが分からない」という人は多いようです。「気づきと対処」を1人だけで行うのは難しいことです。 長年産業医をしていて、家族や仲間の協力がストレスの軽減に役立つのを見てきました。特に配偶者は大きな役割を果たすことができます。
48歳のメーカー課長、業績悪化でストレス過剰に
永野太郎さん(仮名)は真面目でエネルギッシュな1,000人規模のメーカー課長です。これといった趣味はないようです。会社の業績が低下し、課長を務める法人第1課の売り上げも、ここ数年、右肩下がり。イライラすることが多く、深夜に目覚めてしまうこともあります。妻の和代さん(仮名)に当たってしまいます。 仲間からは「仕事漬けは良くないよ。スポーツや趣味で気分転換すれば」と言われるのですが、やる気になりませんでした。
夫のために妻は散歩に誘ったが……
どうすれば良いのでしょうか? 「夫の様子が今までと違う」と気づいた妻の和代さんは、彼のために何かしなければと考えました。 「趣味がない、何もしない人だから。私の方からアプローチしないと、変わらない」と考え、2人で一緒に散歩することを思いつきました。 「あなた、気分転換のために散歩はどう。運動にもなるし、さわやかな空気や四季折々の景色にふれるのも、気持ちいいですよ」と早朝の散歩に誘いました。最初、夫は乗り気ではなく、「今日は体調が悪いから、別の日に」と断りました。
3回目の誘いでようやく同行
和代さんは諦めることなく、天気が良い日に、再び誘いました。3回目の誘いで彼は「まあ、やってみようか」としぶしぶ応じました。うれしいことに太郎さんは行ってみたら、少し気分が良くなりました。天気が良いと妻から誘われます。三日坊主になるのは嫌だったので、続けてみました。 ほどよい運動になるので寝付きが良くなり、夜の覚醒回数も減りました。かつ、朝食をおいしく感じました。彼は、「毎朝の散歩は効果があるなあ」と思えるようになったのです。
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